こんにちは!プラモライフをエンジョイされていますか?
ガンプラにある程度慣れてくると、ただ組むだけではなく、ディテールアップに挑戦したくなりますよね。
そのディテールアップの代表格が「スジ彫り」です。
その気持ち、よく分かります。
今回はそんな難しいイメージがあるスジ彫りを綺麗に仕上げられるやり方を紹介します。
ちなみに今回の記事はスジ彫りのデザインというよりも彫り方の部分に重きを置いています。
(デザインについては私も教えてもらいたいくらいです(笑))
スジ彫りを思い通りに出来ない原因
スジ彫りはなぜ難しいのでしょうか。
失敗してしまう原因なんですが、主に以下の2点じゃないかなと思います。
1.スジ彫りをする時に力を入れすぎてしまう
2.スジ彫りのガイドが頼りない
この2点が重なってしまうとこうなります
じゃあこうならないためには…
1.スジ彫りをする時には力を入れない!
2.しっかりしたスジ彫りのガイドを使う!
この2点を意識していきましょう!
スジ彫りをする前の準備が肝心!
スジ彫りはガイドの時点で出来の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
スジ彫りのガイドといえばスジ彫り用ガイドテープが一般的ですが、今回はプラ板を使います。
プラ板の厚さは曲面にも追従しやすい0.2mmのものを使います。
まずは彫りたい線を決めていくので、スジ彫りをする箇所にマスキングテープを貼ります。
余分なところをカットします。
そして鉛筆でパーツの縁の部分をなぞっていきます。
こうすることによってガイドがより正確なものになります。
その後にスジ彫りをしたい線をマスキングテープの上に書いていきます。
スジ彫りのデザインについては私も勉強中の身なので偉そうなことは言えませんが、ガンプラであればキットにすでにあるパネルラインとパネルラインをつなぐイメージだと不自然さは出にくいと思います。
描き終わったらマスキングテープを剥がしてプラ板に貼り付けます。
キットに貼っているときは線が若干見にくかったですが、真っ白なプラ板に貼れば
この通りハッキリ見えるようになります。
それをハサミやデザインナイフを使って切っていきます。
今回はゴッドハンドのプラバンハサミを使用していますが、一部ハサミが届かないところもあるので、そこはデザインナイフで線をなぞるように切っています。
直線に沿って切るときにはハサミの方が線がブレないのでお勧めです。
あとはマスキングテープを剥がせばガイドの完成です!
線にガタつきがある時には目の細かいやすりで撫でるようにやすりをかけましょう。
スジ彫りにチャレンジ!
ガイドが完成したのでスジ彫りに移っていきましょう。
全体的なスジ彫りのステップは以下の通りです
ラインを引く前にガイドを瞬間接着剤を使ってパーツに貼り付けます。
両面テープで貼り付けると、スジ彫りの途中でガイドがズレてきてしまうので、おすすめはしません。
瞬間接着剤で貼り付けるとき、べたりと一面に塗ってしまうと剥がすときに大変です。
なので、部分部分に点付けすれば剥がすときも楽になります。
ガイドを貼り付けたらまずはケガキ針でラインを作っていきます。
今回はファンテックの超硬けがきニードル(10°)を使用しています。
ピンバイスに着けて使用出来るので便利です。
まずはこれでラインを引いていくのですが、この時に1回でラインを引いたる!という考えは捨ててください(笑)
あくまでも力をほとんど入れず優しく優しく撫でるという意識を大事にしてください。
10~20回くらい引いたら大丈夫かなと思います。
今回のラインは角があるラインですが、その際には以下のように引いてみましょう。
一筆書きの要領でやってしまうと角が丸くなりやすいので、角に向かうように引くことを意識しましょう。
もしあらぬ方向にラインを引いてしまった場合には高粘度の瞬間接着剤を間違って引いたライン部分に盛りましょう。
乾いた後でやすりがけをしたらまたやり直しがききます。
注意ポイント
リカバリーする際に低粘度の瞬間接着剤を使ってしまうと正しく引けたラインにも流れ込んで台無しになってしまうので注意!
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初心者モデラーの味方!瞬間接着剤のススメ
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それではケガキ針で作ったラインを次はキサゲで整えていきましょう。
なんでここでキサゲ?そもそもキサゲって何…?と思われる方もいるかもしれません。
キサゲとは工業において機械で仕上げたものを最終的に人間の手で微修正する際に用いる複数の刃が備えられている工具です。
それが転じてプラモデルではゲート跡やバリを削ったり、パーティングラインを処理する際に使われます。
話を戻しまして、実はニードルで線を引くとパーツを彫るというよりは削っているような形になるので、ラインの内側に削った跡の盛り上がりが出てきてしまいます。
そのままタガネ等のスジ彫りツールで彫るとその盛り上がりに引っ掛かって線がガタつく、あるいはハミ出してしまう可能性があります。
その盛り上がりを刃が両面についているキサゲで削り取ってしまおうということなんです。
この場面におけるキサゲの使い方はケガキ針の要領でラインをなぞっていくだけです。
ちなみにキサゲを使う手法は私が考えたわけではなく、電撃ホビー等で活躍されているプロモデラーの「初代」さんが考案されたメソッドです。
このやり方を知ったときは画期的過ぎて目から鱗が落ちました(笑)
初代のプラモ制覇!!電ホビ版第3回――奥の院レベルのスジ彫り“超”タイヘン編 | 電撃ホビーウェブ (dengeki.com)
キサゲは様々なメーカーから発売されていますが、この場合はミネシマのキサゲを使いましょう。
シモムラアレックから発売されているキサゲ「KISA-GU」でも試してみたのですが、先端が太くてラインをなぞれませんでした。
(フォロー:「KISA-GU」自体は刃の精度が極めて高く非常に良い商品です!)
ポイント 何回もキサゲでラインを引いてしまうとだんだんラインの幅が広がっていくので、2,3回引いたら次のステップに移りましょう。
ケガキ針とキサゲでお膳立てされたラインをタガネ等のスジ彫りツールで彫って仕上げていきましょう。
写真ではシモムラアレックのホーリー(0.15)を使っており、その後ファンテックのスジ彫りカーバイト(0.2mm)で仕上げています。
ここも今までの彫り方で進めていきましょう。
これまでの手順でラインはしっかり出ているので、後は焦らずゆっくり力を入れずに進めていけば大丈夫です。
ちなみにスジ彫りツールではスジボリ堂のBMCタガネが有名ですが、現在は入手が難しい状態です。
しかし、代替ツールは他社から多くリリースされているのでBMCタガネに特別こだわる必要は無いかなと思います。
今回使用したシモムラアレックのホーリーはかなりおすすめです。
手元で彫れるので力の加減をコントロールしやすく、かなり扱いやすい印象を受けました。
ファンテックのスジ彫りカーバイトも同社から出てる超硬けがきニードル(10°)同様ピンバイスに着けることが出来て取り扱いやすく、そして入手難度が非常に低いです。
使えなくなったときにすぐ買い換えられるのはとても大事なことです。
さて、これまでの作業を経て仕上がったスジ彫りがこちらです。
どうでしょうか。角が丸くならず、線もヨレヨレではないシャキッとしたスジ彫りになりました。
(わかりやすいようにやすりがけして削り粉をラインに入れています)
正直私自身もスジ彫りが苦手だったのですが、そんな私でもここまで仕上げることが出来ました。
ちなみにスジ彫り用のガイドテープを使わず、プラ板でガイドを使ったのには理由がありまして、それは左右対称のスジ彫りがしやすいからです。
仮に両サイドに同じ形状のスジ彫りをするとなると、ガイドテープだとひっくり返して使うのは現実的では無く、きっちり左右対称に貼るのは至難の業です。
それをプラ板に置き換えたらひっくり返し、瞬間接着剤で貼り付けるだけで左右対称なラインが彫れるんです。
正確性もあり、時短も図れるこのやり方でぜひスジ彫りをマスターしてみてください!
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